新刊「文化によるまちづくりで財政赤字が消えた」(著者:溝口禎三)を読んで、感じたこと。/イアン
2011年7月21日

8月6日(土)開催される「としまエコライフフェア2011」に「動物かんきょう会議」がイベントのナビゲーターとして参加します。私は、動物かんきょう会議の原作&プロデューサーとして2009年から参加してきました。そして、いつも豊島区さんとの産官協働では、ユニークだと感じることがあります。
それは、豊島区が掲げる「文化によるまちづくり」「文化創造都市としま」という理念が職員の方々に浸透していることです。文化事業に対する理解と関心が高く、さらに提案・行動力があるということです。いったいどのようにして、このような文化風土がはぐくまれてきた?それが常々疑問でした。それが、今回発売された「文化によるまちづくりで財政赤字が消えた(著者:溝口禎三/ふるさと豊島を想う会事務局長)」を読み、その理由がようやくわかった気がします。

(図や写真もあり、とても読みやすいです)
現在の区長、高野氏が区長になった12年前(平成11年)、豊島区の財政赤字は872億円という悲惨な状態だったそうです。当然、自由に使えるお金はほどんどない状況です。既存の枠組みの行きづまりと、少しでも魅力的なまちづくりしたいというジレンマの中、試行錯誤していく中で「文化人中心のまちづくり」というコンセプトにヒントを感じたそうです。つまり箱モノ行政からの転換です。
行政のトップリーダーが理念を掲げ、行政の強みを活かしつつトップセールスする。そして、日本文化育成に多大な貢献をされてきた大先輩と「具体的な出口をつくる」会議を重ね、信頼関係を築き、戦略立案されてこられたことに驚きました。このトップの「文化によるまちづくり」への本気度が、共感する同士を呼び込み、としまの文化風土と、できる自信を定着させつつあるのだと感じました。それは、素晴らしいことです。
本書は、税理士事務所を経営されている著者 溝口氏だからこその現実的な視点からの分析があり、「文化によるまちづくりで財政赤字が消えた」というインパクトのあるタイトルに対して、納得することができました。
行政マンによる「もしドラ」です。ただし、こちらはノンフィクションなので数倍面白い。
是非ご一読をお奨めいたします!


池袋ジュンク堂書店の入口に平積みされていました。
スティーブジョブスや、フェイスブック、ドラッカーの横・・・

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