2008年、私たちは国内および海外イベントへ「動物かんきょう会議」を出展する活動をとおして、作品が世界で通用することを確認し、アニメ化に向けて自信を深めることができました。
2007年秋、東京コンテンツマーケット2007で「静止画部門奨励賞」を受賞したことの意味は、「『受賞』をきっかけに羽ばたけよ」という主催者側からのメッセージであると気がつきました。この場合の「受賞」は、過去を讃えるということではなく、「未来に向けて応援する」ということだと感じたのです。
そして、「本原作をもとにアニメーションを創る」を目標にして半年。2008年秋の東京国際映画祭の関連イベントで「TIFFCOM/TPG」にエントリーしました。このイベントは、まだ映画やアニメにはなっていない作品を世界中から集め、業界関係者にアピールできるというプレゼンの場です。世界中からのエントリーがある中、選抜作品の一つに選ばれました。
◉TIFFCOM/TPG2008のガイドブック
◉動物かんきょう会議を案内しているガイドブックのページより
本作品の世界観と魅力をアピールするために、私たちはアニメーションのパイロット版(5分)を日本語と英語でつくって臨みました。本作品に興味を示した関係者は国内よりも海外が多く、商談の7割は海外関係者でした。彼らが一様に興味を示したのは、「個性的な動物キャラクター」と「世界の環境問題をテーマにしているコンセプト」と「10年近い一貫した活動」に対してです。中には、「人間より(国境を背負わない)動物たちの方が環境問題に対していいアイディアをだせるんじゃないか?」「人間と動物たちを競争させたら?」などユニークな意見もありました。
おもしろく感じたのは、海外のバイヤーは作品のコンセプトに反応し、国内のバイヤーはコンセプトよりもキャラクターが商品化しやすいかどうかに反応するということです。会期中に具体的な契約には結びつきませんでしたが、本作品に、特に欧州の専門家が関心をもつことが確認できました。
商談会で知りあったフランスのプロデューサーに、東京国際映画祭の映画見本市「TIFFCOM」にモナコから出展しているマダムを紹介されました。この方は、モナコのイベント「Forum international Cinema & Literature」の主催者で、私たちをそのイベントに誘ってくださったのです。こうして、2009年春にモナコ公国で開催された「Forum international Cinema & Literature」に作品を出品しました。
欧州の映画関係者が集まるこのイベントで「欧州におけるアニメ化権と出版化権」を購入したいという具体的なオファーを受け、欧州進出のチャンスが到来したのでした。
◉Forum international Cinema & Literature 2009のガイドブック
◉カジノの正面の公園にもイベントの青い垂れ幕がずらり
◉飾り付けを終えたばかりの動物かんきょう会議ブース
(作:イアン)
次回は、NHKさんとアニメーションをつくる! です。
[Episode 7 : Special Thanks]
TIFFCOM/TPG 2008
Forum international Cinema & Literature (2009)
Shibuya International
[15周年記念★今後の予定(タイトルは仮です)]
第1話 地球温暖化防止京都会議(COP3)の会場でデビュー
第2話 画期的!? 絵本マガジンという発明品
第3話 新潟の印刷会社と池袋の大型書店の心意気
第4話 韓国版「動物かんきょう会議」小学校副読本4万部!
第5話 ソトコトでハリィのエコ日記連載スタート!
第6話 東京コンテンツマーケット2007 静止画部門奨励賞!