日本と世界の子どもたちが創発!「せかい!動物かんきょう会議 in SDGs未来都市UBE」3月26、27日の屋外プログラムレポート
2019年5月17日

全国初の全園生息環境展示が特徴の市内の「ときわ動物園」、山間部の「アクトビレッジおの」をフィールドにした体験型プログラムに、市内の子どもたち10名、山間部の子どもたち10名が集い、1泊2日の合宿をしました。

全体のシナリオは、

1日目

【第1部】
ときわ動物園でのフィールドワークショップ。動物たちと向き合い、生態系から学びます。

【第2部】
ときわ動物園での4つのテーマ、「家族」「食べ物」「生き抜く知恵」「人間との共存」から関心のあるテーマを選んで新聞をつくります。


2日目

【第3部】
里山でのフィールドワークショップ。野生動物のいる地域で、現在の人と動物との関係性、原因と結果について学びます。

【第4部】
動物かんきょう会議。動物でもあるワタシが、地元の動物たちとの共存の可能性、あるべき姿について知恵を出し合います。

【第5部】
人間になって考えをまとめ、動物宣言をひとりひとり全員が発表します。

子どもたちは、動物たちの立場にたって、人間たちが動物たち(自然)にしてきたこと、人間たちの生活について深く考えました。動物宣言後、この会議を進行した動物(インストラクター役)から「活動証明書」を受け取りました。

 

 

このようなシーンがありました。

・シロテナガザルは、家族単位での生活をします。そして5歳くらいになると家族の元を離れます。そして2度と戻っては来ないそうです。親の顔も忘れてしまうという話を聴いて、悲しく、せつなくなったのか、猿たちににも、人間の盆暮れ正月のような家族が楽しむイベントをつくってあげたいと考えた子どもがいました。

・猿たちが食べる果実や木の実は、猿たちの腸で消化され、猿たちが移動し糞となって排出されることで木の実の種は発芽することができます。という自然界の関係性を知った子どもたちは、「猿は木の実を食べて「森」をつくります。人間は食べ物を食べて「ゴミ」を出します。猿たちの方が、進んでいる、すごいなぁ」。人間たちも縄文時代のように、もういちど猿のような生活をしてみたらと考えた子どもがいました。

・もともと宇部の里山は「常緑樹」で、野生動物たちの食料「どんぐり」が豊富にありました。そこへ人間が入ってきて、材木の生産を目的に「常緑樹」を伐採し「針葉樹」を植林しました。しかし林業は衰退し、間伐もされない手入れのない状態にあります。さらに、針葉樹には「どんぐり」がありません。食べ物を失った動物たちは里に出るようになりました。そして、畑が荒らされるという理由で駆除(殺処分)されるのが現実です。そんな話を聞いて、「ひどいなぁ、原因をつくったのはワタシたち人間ではないか」、人間たちの畑が荒らされるのであれば、動物たちのための畑もつくればいいと考えた子どもがいました。

 

最初は緊張していた子どもたちも、宇部市民による動物会議インストラクターたちの工夫をこらしたファシリテーションで、子どもたちはクリエイティビティを存分に発揮し、達成感ある体験を実現することできました。本プロジェクトの「ファシリテーション技術」は独特です。

本活動は、今年度もつづきます。
SDGs未来都市UBEの特徴は、SDGs課題を担う未来人財の育成です。動物かんきょう会議プロジェクトの主なターゲットはジュニア世代です。SDGs視点を手に入れる子どもたち。社会人になるまで、中学・高校・大学で10年間。今後の成長が楽しみです。

 


動物たちの生態、自然からの学び

 

日本初、全園生息環境展示の「ときわ動物園」へようこそ!

 

日本初の全園生息環境展示が特徴の山口県宇部市の「ときわ動物園」。せかいの動物たちを間近に観察し、その生態系を知り、動物のことを学びます。動物たちから人間たちへのメッセージをテーマに未来について考えて話し合う初めてのプログラムです。アジア、アフリカ、アマゾンそして日本のサルたち。人間にもっとも近い動物「サル」族たちがいっぱいです!

 

 


【子どもたちによる動物かんきょう宣言】

 

 

 

 

 


【動物(インストラクター役)への手紙】

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

【宇部日報に掲載されました】

宇部市が主催する「せかい!動物かんきょう会議 in SDGs未来都市UBE」の屋外プログラムは3月26、27の両日、常盤公園などで行われた。市内の小学生20人が動物園で動物の課題について学習し、グループ単位の話し合いを通して、人と野生動物が共生できる未来の世界について考えた。(宇部日報。3月28日朝刊)