フィリピンの子どもたちといっしょに作ったウミガメのリノ・タトロンガリを紹介します。
ウミガメのリノは、ギターを弾いたり歌うことが大好きな15歳の学生です。
元来、がまん強いといわれるウミガメのなかでも、リノのがまん強さ、勤勉さは特別です。
太平洋のパロングビーチで生まれた彼には、弟とふたりの妹がいます。父は漁師、母は専業主婦で、生活は楽ではありませんが、タトロンガリ一家はお互いに助け合うとても仲のよい家族なのです。リノは大好きな両親のために、庭仕事を手伝い、学校のない週末には父と海に魚釣りにでかけます。
しかし、今、その海にさまざまな問題が生じています。
不適切に廃棄されるゴミのせいで、水も土壌も汚染されたうえに、シアン化合物やダイナマイトを使った漁業の影響で、魚の住める場所が減ってきているのです。なによりも、リノたちウミガメの食べ物である海藻が少なくなってしまい、ウミガメたちにとっては一番の心配事になっているのです。
追い打ちをかけるのは、彼らのすみかのマングローブの林が違法に伐採されていることです。ウミガメたちは生きる場所さえも奪われようとしています。
「家族のたいせつな暮らしを守るため何をしたらいいのか」。ふと気がつけば、リノはいつもこのことを考えるようになりました。
子どもたちといっしょにつくったキャラクター