[第2話]画期的!? 絵本マガジンという発明品
2013年3月20日

「動物かんきょう会議プロジェクト」総合プロデューサーのイアンです。

2002年7月5日に、絵本マガジン「動物かんきょう会議」第1巻が発売されました。この絵本には3つの特徴があります。

①絵本でありながら内容は現実の環境問題をテーマにしています
登場する動物たちは、棲家を追われて世界各地からドイツの森にあつまってきたという設定です。動物たちは、子どもたちが、やさしく・行動力のある大人になって欲しいと願い、《子ども同士》《親子》で考えるきっかけをつくっていきます。

②日本の作品ですが、欧米からの輸入本のテイストです
テーマが環境問題なので、子どもたちの「お友だち」目線より一段高い「お兄さん・お姉さん」目線でキャラクターをデザインしました。表紙の英文タイトルロゴ、日本語版という表記、原作:マリルゥ&イアン、絵:アンデュという表記も一種のデザインです。

③絵本では問題提起と提案まで。結論は読者が考えます
動物たちによるカンカンガクガクと白熱する話し合いは結論のでないまま日没とともにあっけなく終わってしまいます。続きは、読者同士によるコミュニティサイトWEB版「動物かんきょう会議」へと引きつがれていくのです。

 

 

絵本を入口とした、コミュニティサイトへようこそ!

 

[動物かんきょう会議のコンセプト図]

 

絵本マガジンにはコミュニティサイトへの参加チケット(IDとパスワード記載)が入っています。WEB版「動物かんきょう会議」でユーザー登録することで、自分の好きな動物アイコンを選ぶことができます。読者は、動物になって考えて、発言することができるのです。

 

[コミュニティシステム:i debut(アイ・デビュー) ver.1]

2000年から開発しているWEBコミュニティシステム「i debut(アイ・デビュー) ver.1」をベースにオリジナルデザインを施し2002年6月に公開しました。デザイナーとシステムエンジニアによる研究チーム”NURUECompany”によるオリジナルシステムです。mixi(ミクシィ)やblog(ブログ)が登場する前ですのでかなり先進的な取り組みといえるのではないでしょうか。
このシステムは後に東京都による新技術開発助成金事業に採択されていきます。(本助成金事業では東京都初となるソフトウエア分野への採択案件となりました)

このサイトは、NHKでのアニメーションが決定した2009年にいったん閉鎖しました。
運用実績:2002年〜2009年 
登録ユーザー数3200名、つくられた発言カード1200ページ、ユニーク閲覧者数20万人

 

 

[シンプルなコミュニケーションづくり]

30秒以内の発言のイメージをデザインしました。参加者全員が「意見を言える、人の話しを聞ける」ような活発なコミュニケーションの場を目指しました。それは、異文化コミュニケーションが専門のN.H氏の「流れる水は濁らない」「壁は透けていく(越えるものではない)」という考え方に基づきます。

 

 

[絵本カテゴリーのニューズウィークをめざして!]

NewsWeekは世界の今を伝える大人向けの情報誌です。私たちはNewsWeekのような機能をもった、ニュース性とクオリティの高い《子ども〜学生向け》絵本を創りたいと考えました。時事をテーマに絵本シナリオをつくり、ニュース性はWEBサイトにあります。そこでこの作品は、絵本ではなく絵本マガジンと呼ぶことにしました。

絵本第1巻の表紙にはニューズウィークの精神を反映させました。ヒラリー・クリントン氏がホワイトハウスでくつろぐ図案をベースにイラストレーターのアンデュが書きおこしました。

(作:イアン)

◉絵本は「Amazon」で購入できます

 

次回は絵本誕生とその販売方法のお話です。

 

[Episode2 : Special Thanks]
Takayuki ANDO(NURUE)
Masaya MUTO(NURUE)
Kayo IMAMURA(NURUE)

Jin ITO(NURUE Company)
Hiroaki TOMONO(NURUE Company)
Naomi HOROIWA

 

[15周年記念★今後の予定(タイトルは仮です)]
第1話 地球温暖化防止京都会議(COP3)の会場でデビュー
第2話 画期的!? 絵本マガジンという発明品
第3話 新潟の印刷会社と池袋の大型書店の心意気
第4話 韓国版「動物かんきょう会議」小学校副読本4万部!
第5話 ソトコトでハリィのエコ日記連載スタート!
第6話 東京コンテンツマーケット2007 静止画部門奨励賞!
第7話 東京国際映画祭とモナコでプレゼンテーション
第8話 日中共同製作アニメ「動物かんきょう会議」20話完成
第9話 NHK教育TVで全国地上波放送
生物多様性名古屋会議COP10会場で上映
第10話 地球環境映像祭「子どもアースビジョン賞」受賞
第11話 アニメをつかって環境について考える出前授業
第12話 新宿区立小・中学校「見える化」看板プロジェクト
第13話 世界の子どもたちとキャラクターづくり!
第14話 紙芝居「森のおはなし」
以下、全20話の予定