「動物かんきょう会議プロジェクト」総合プロデューサーのイアンです。
みなさん、今日は、動物かんきょう会議が韓国で出版されたいきさつをお話しします。
2002年秋、弊社事務所には初版2000部の絵本が山積みでした。販路をもたない弊社の苦肉の策は「地元の有機絵本・地産地消の絵本として!」とのキャッチコピーでした。事実、絵本の紙はケナフ紙を使い、印刷には大豆インクを使用しています。本来、環境ロゴなどで特徴をアピールするものですが、「そんなあたりまえのことなど表示はしない」というのが博進堂の担当者Y氏の考えでした。そして、生産者(発行・発売元)から書店への直送です。ジュンク堂池袋本店では、7階「理工書」フロアのエスカレーター正面に陳列され、ジュンク堂では珍しい「解説ポップ付き」でした。そして、この地元の大型店舗と交流を深めながら展開活動をしていったことが大きな幸運につながったのです。
発売から約半年後の2003年春、韓国の出版エージェンシーから「韓国の児童書出版社が『動物かんきょう会議』に興味をもっています。」と流暢な日本語で電話連絡がありました。その後、トントン拍子で韓国語版の出版化が決まりました。なんでも東京国際ブックフェアの開催時に池袋エリアでリサーチしたとのこと。リブロの正面玄関と、ジュンク堂で環境をテーマにした専門書コーナーでインパクトのある動物キャラクターのイラストが目に飛び込んできたそうです。書店のスタッフの方々に「平積み」していただいたからこそ到来したチャンスでした。
契約した韓国の出版社名はD.D.Stone。英語教材でヒットシリーズを手がけているソウル市内の出版社です。韓国版は第1話「森」、第2話「ゴミ」、第3話「クルマ」までを1冊のソフトカバー版にまとめて2003年11月に出版されました。ところが・・・完成した韓国語版は、表紙がオリジナル版と全く違っていたのです。
おどろいて問い合わせると、「ニューズウィークのデザインをモチーフにしているオリジナル版は、韓国ではマイナスイメージになる」とのこと。韓国人の対米感情を考慮して表紙デザインを変更したことを知り、各国がかかえるデリケートな対外国感情を学びました。
わたしたちは、絵本の販売をとおして隣国韓国のビジネスパートナーができました。相手の顔を知った先に見える世界はとてもボジティブです。「共に仲良く、お互いに成長したい」と心から思えるのです。「相手を知ることの効果」を実感しました。このご縁をきっかけに、オリジナルストーリーに韓国キャラクター「珍島犬(チンドンケン)のキィヌ」が誕生したのです。キィヌは第6話から登場する予定です。
韓国での新聞記事
日本での輸入版発売が毎日新聞で取り上げられました
そして、韓国語版発売から約1年後の2005年には、なんと韓国小学校の教科書の副読本に採用されました! これまでの発売部数は4万部以上。人口が日本の5分の2(約5000万人)ですから、日本国内で換算すると10万部となり絵本としては大ヒットです。 第2刷では、より教材らしくリ・デザインされました。教材づくりのプロの編集で絵本が学習教材に様変わりしたのです。大変勉強になりました。
2008年には第4話「エネルギー」と第5話「食料」を1冊におさめた第2巻を発売しました。第5話は国内ではまだ未発表作品ですから、絵本シリーズ「動物かんきょう会議」は韓国版が先行していることになります。
◉韓国版の出版社へのリンク
ダニエルストーン・パブリッシング社(D.D.Stone社)
http://ddstone.com
(作:イアン)
◉絵本は「Amazon」で購入できます
次回は環境エコマガジン「ソトコト」とのご縁のお話です
[Episode 4 : Special Thanks]
MONICA In(D.D.Stone)
EUNICE Jang(D.D.Stone)
LEE jinsook
[15周年記念★今後の予定(タイトルは仮です)]
第1話 地球温暖化防止京都会議(COP3)の会場でデビュー
第2話 画期的!? 絵本マガジンという発明品
第3話 新潟の印刷会社と池袋の大型書店の心意気
第4話 韓国版「動物かんきょう会議」小学校副読本4万部!
第5話 ソトコトでハリィのエコ日記連載スタート!
第6話 東京コンテンツマーケット2007 静止画部門奨励賞!
第7話 東京国際映画祭とモナコでプレゼンテーション
第8話 日中共同製作アニメ「動物かんきょう会議」20話完成
第9話 NHK教育TVで全国地上波放送
生物多様性名古屋会議COP10会場で上映
第10話 地球環境映像祭「子どもアースビジョン賞」受賞
第11話 アニメをつかって環境について考える出前授業
第12話 新宿区立小・中学校「見える化」看板プロジェクト
第13話 世界の子どもたちとキャラクターづくり!
第14話 紙芝居「森のおはなし」
以下、全20話の予定